Story
何かが噛み合わないカップル、カオル(小出薫)とシュンスケ(田中俊介)。
そんな日々に不満を抱えているカオルのもとへ突然“異物”がやってくる。
そして最終的には二人のもとへ…。
その頃、トモミ(石田桃香)の働くカフェには、元恋人同士のコウダイ(吉村界人)とミナ(田中真琴)がやってくる。
煙草をくゆらせながら神妙な面持ちで話をしはじめる二人…。
それから数カ月後、工場で働くリュウ(宮崎秋人)はとあるものを見つけ、事務員であるミサト(高梨瑞樹)と共に工場長のタケシ(ダンカン)にとあるお願いをしに向かうのだった。
そうして気が付けば、カオルのもとに“異物”が現れてから一年が経過していた。
一年前とうって変わって何かが吹っ切れた様子でとあるバーへ出かけたカオルは、謎の女(田辺桃子)と会うこととなる…
Comments
【監督メッセージ】
世の中に起こる出来事のほとんどは説明出来ないはずなのに、映画では説明を求められることにずっともやもやとしていた。
説明出来ない物事に翻弄される人ほど人間臭くて滑稽で愛おしいと思うし、説明出来ない物事が起こったときほど社会における醜さが露呈するはずなのだが…。
「不条理コメディ」を作りたい。その想いは日に日に強くなっていった。
そして、2019年10月、僕は『異物』を撮影した。
だが、しかしそこから世界は一変した。
現実世界の方が不条理じゃないか。
僕はより不条理な物語を求めて緊急事態宣言明けの2020年6月に『適応』を撮影した。
それでも世界の不条理は止まらない。
なんでこんなに全く悪くない人々が苦しまなきゃならないんだよ。
僕がそれに抗う手段は映画しかなかった。
不条理の中で溺れそうになりながらも必死に生きる人々を描こうと、2020年10月に『増殖』と『消滅』を撮影した。
気づけば『異物』からちょうど1年だった。
この映画には僕の「怒り」と「愛」と「祈り」を込めた。
そして、「怒り」が「愛」が「祈り」が強くなればなるほど、圧倒的に下らないものを目指した。
何をやってるかなんて僕もキャストもスタッフも分からなかった。だけど必死にやった。
だから面白いものが出来たと思います。
『異物-完全版-』、どうぞ宜しくお願いします。
【映画祭コメントまとめ】
■“Kenichi Ugana confirms his status as the latest, greatest cult filmmaker and his flair for the unexpected. Extraneous Matter touches on urban loneliness, both sexually (in a joyous tribute to tentacle erotica) and sentimentally (yes, it’s a love story!). An alien film whose humour perpetually goes rogue “
「宇賀那が最高且つ最新のカルト作家であること、そして意外な才能を持っていることを確かにした。『異物』は都会の孤独に触れながら、エロス(触手エロスへの喜びの賛辞として)とセンメンタリズム(そう、これはラブストーリーなのだ)を両立させたのだ。ユーモアが暴走し続けるエイリアン映画。」
Julien Fonfrede
Montreal Festival du nouveau cinéma
■“Deeply unsettling and somehow also sweet.”
非常に人を不安にさせるが、どういうわけか優しく甘美である。
Jason Tostevin,
Nightmares Film Festival
■“A truly and funny mix between shunji Iwai, Shinya Tsukamoto and Takeo Nakano…so love with tentacles: spectacular!”
岩井俊二、塚本晋也、中野貴雄の本当に面白いミックス......
つまりは触手との愛!スペクタクル!
Philippe Lux
Erange Film Festival
■"A mixed-genre gem with an absurd sense of humor and a fantastic soundtrack, filmed in poignant black-and-white cinematography."
不条理なユーモアのセンスと素晴らしい音楽と感動的なモノクロによるジャンルミックスの逸品!
-Nippon Connection – 21st Japanese Film Festival
■"Some films grab you out of your seat and transport you somewhere else entirely. This is one of those films. A perfect blend of the unexpected and offbeat, and just a little bonkers too."
映画の中には、あなたを席から引きずり出して全く別の場所に連れて行ってくれる作品があります。この作品はそのような映画の一つです。意外性とオフビートの完璧な融合、そしてちょっとしたクレイジーさ。
Flatpack Festival
Sam Groves
■"Extraneous Matter" is a sumptuously weird short shot in an exquisite black and white format and full of both awkward and sensual moments but also scary and suspenseful.
非常に美しいモノクロとふんだんに奇妙さが詰まった短いショットによって、ぎこちなくて官能的な瞬間が満載であり、更に怖くてサスペンスフル。
Dan Brawley
Cucalorus Film Festival2020
■That ending was so wonderfully disturbing!"
驚くほど衝撃的な結末!
Chad Farmer
Grindsploitation Film Festival
■ "This is an enjoyable work of art that feels like a modern episode of the Twilight Zone.
It is well worth the watch.”
これはトワイライトゾーンの現代版のような楽しい芸術作品だ。
一見の価値あり!
Oshka Kuwalski
Planet 9 Film Fest 2020
■ "Ugana immerses us in the black-and-white Japanese lifestyle, where appearances can become more important than one's own decisions, its imagery reminiscent of Shinya Tsukamoto's "Tetsuo The Iron Man".
宇賀那は、塚本晋也監督の「鉄男」を彷彿とさせるような、自分の判断よりも起こったことが重要となるモノクロの日本人のライフスタイルで私たちを熱中させる。
Rene Weber
Fixon Fest
■"The movie managed to talk about human contact in today's world in a very unexpected way."
この映画は現代の世界における人間の接触について非常に予想外の方法で語ることに成功している。
Saul Mendez Filho
Cinehorror Film Festival
■"Kenichi Ugana brings us the weirdest short film in Pendance’s 4-year history.
Ugana absolutely understands how to hold a frame to manipulate the audience.
No one’s going to bed after watching this film."
我々の映画祭の歴史で最も奇妙な映画だ。
宇賀那監督は観客を操作するためにフレームを保つ方法を完全に理解している。
この映画を見た後は誰も寝ないだろう。
Robert Misovic
Pendance Film Festival
■"The film has such excellent style."
この映画は非常に優れたスタイルを持っている。
Robert John Torres
51th Nashville Film Festival